ウォシュレットの発売前から現在までの歴史について
現在多くのご家庭に普及している温水洗浄便座。「ウォシュレット」とよく呼ばれていますが、実は「ウォシュレット」という名称はTOTO製の温水洗浄便座の商品名なのです。このページでは発売される1980年以前から現在に至るまでのTOTOウォシュレットについて説明します。
ウォシュレット発売までの歴史
世界初の温水洗浄便座
温水洗浄便座は医療・福祉向けにアメリカで開発されたのが始まりです。 1964年12月にはTOTOがアメリカのビデ社から温水洗浄便座を輸入。「ウォッシュエアシート」という名称で主に病院をはじめ限られたお客様向けに販売しました。
日本初の温水洗浄便座
日本初の温水洗浄便座は1967年10月に伊奈製陶(現:LIXIL)が温水洗浄便座付きの便器として発売した「サニタリーナ61」です。 一方TOTOは同時期にアメリカ・ビデ社からウォッシュエアシートの特許を取得。輸入品の不具合を改良・新たに開発した暖房便座機能を搭載した国産品のウォッシュエアシートを1969年11月に発売しました。輸入品同様、医療関係向けに販売しましたが十分な完成度とはいえず普及にまで至りませんでした。
ウォシュレットの発売へ
第1次オイルショック後の1970年代後半、TOTO独自の温水洗浄便座の開発が始まりました。 開発にあたって、温水の温度、水量、ノズル位置や洗浄角度、座り心地などそれぞれ最適な洗浄条件を探るためTOTO社内での実験が繰り返され、温水の温度制御についてはICと温度センサーを採用することで実現できました。
そして1980年6月にウォシュレット発売。「Gシリーズ(貯湯式)」と「Sシリーズ(瞬間式)」の2タイプが展開されました。 1982年には「おしりだって、洗ってほしい。」のキャッチコピーを用いたCMでウォシュレットの知名度が上がりました。
ちなみにウォシュレットは「これからは洗う時代です。洗いましょう。」=「レッツ・ウォッシュ(Let's Wash)」という意味を込めて名付けられました。
ウォシュレットの現在
ウォシュレットの技術進化
発売されて以来、ウォシュレットは時代に合わせ日々進化しています。
1983年7月にビデ機能を搭載した「ウォシュレットGII」が発売、1987年11月にはTOTO初のウォシュレットと便器が一体化した「ウォシュレットQUEEN」がホテル向けに発売、一般向けは4年後の1991年12月にウォシュレットZGが発売されました。「ウォシュレットZG」には初めてオゾン脱臭機能が搭載されました。
コンパクト&省エネ設計の便座を発売開始
1993年は3月に狭いトイレにもとりつけできるようコンパクトシリーズとして「ウォシュレットCα」、4月に初のタンクレスウォシュレット一体形便器の「ネオレスト」、1999年10月には従来の2分の1の水量でパワフルな洗浄を可能にしたワンダーウェーブ洗浄を採用した「ウォシュレット アプリコット」が発売され、省スペース・省エネルギー・節水が実現できるようになりました。
さらに、洗浄機能が進化
現在は使用前後のノズルの洗浄機能が進化し、セルフクリーニングに加え「きれい除菌水」がノズルの内側と外側を自動的に洗浄。便器に座ると水道水のミストを便器に吹きかけ水のクッションを作り汚れをつきにくくする「プレミスト」機能が搭載されるなど、おしりだけでなくトイレにもよりやさしい設計となっています。
累計販売台数5000万台突破
2018年時点で温水洗浄便座は日本国内での一般世帯普及率80.2%(内閣府調査)を達しました。 1980年に発売開始したウォシュレットは、2019年3月に累計販売数5000万台を突破。世界各地のニーズに合わせた海外モデルも販売しており、出荷台数は2008年度と2018年を比較し約5倍に伸びました。現在では、日本のみならず海外でも高い評価を受けています。